買取作家 岩田 正巳 

岩田 正巳 

日本画家 日本芸術院会員 新興大和絵会

生没:1893年~1988年

大正から昭和にかけて「新興大和絵運動」などで存在感を示した日本画家、岩田正巳は、近代日本の美術界で古典や歴史を題材とした作品を発表し続けました。

1893年、新潟県三条市に生まれ、趣味で日本画を描いていた父の影響もあってか、旧制中学卒業後は東京の川端画学校で日本画を学びました。1913年に東京美術学校日本画科に入学。さらに研究科に進み松岡映丘の指導を受けます。1921年に映丘の門下生を中心とした「新興大和絵会」の結成に参加。一方で1924年の帝展で初入選を飾り、30年には帝展特選を受賞しています。1935年には映丘の「国画院」に参加し、翌年は帝室博物館の壁画制作にも携わりました。

戦後は日展の審査員・評議員を歴任し、1977年には日本芸術院の会員に推挙され、79年には長年の功績が評価され勲三等瑞宝章を受章しました。死去後、2014年には地元・新潟の県立美術館にて、生誕120年記念展が開催されています。

日本の古典を題材にした歴史画家として活躍し、旧来の大和絵に新しい作風を取り入れる試みにも挑戦するなど、近代日本画史において重要な人物の一人となっています。仏画や舞台の時代考証に参加したこともあるなど、その優雅な画風と長年の研究成果をもって今もなお、その作品は日本の伝統を後世に伝え続けています。

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