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木版画家
日本版画協会 元理事長
生没:1913年~2007年
萩原英雄は木版画の「両面摺り」を生み出すなど、伝統的な技法を継承しつつも新しい木版画を作り出してきた現代木版画を代表する人物です。
学生時代に学んだ油彩画の色合いを木版に加える試みは、染料のにじみが作品に変化を与え、同じ版でも一点ずつ表情が違う作品が生み出されています。
初期の木版画は抽象的なものでしたが、1980年代以降は多くの富士図を手がけています。
代表作は1981年より制作開始した連作「三十六富士」のシリーズです。北斎の富嶽三十六景に影響をうけ、作家の故郷である山梨でなじみの深い富士を描いた連作で、北斎と違い作品内に人物はおらず、純粋に風景の中の富士を描いた作品となっています。
略歴
1913年 山梨県甲府に生まれる。
1921年 父の赴任先の朝鮮半島へ渡る。
1930年 前年に帰国、この頃から本格的に油彩画を始める。
1933年 東京美術学校油絵科に入学。
1938年 美術学校の油画本科を卒業。高見沢木版社に入社。
1953年 肺結核を患い3年間療養へ。木版画制作を始める。
1962年 ルガノ国際版画ビエンナーレにてグランプリを獲得。
1979年 日本版画協会の理事長に就任。
1981年 連作『三十六富士』の制作を開始。
2007年 死去
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